木造住宅で使われる構造材・下地材・造作材には、無垢材と集成材という2つの種類があります。この違いは、「どんな暮らしをしたいか」ということにも関係してきますので、皆さん知っておいて下さい。

□ 無垢材とは

無垢材とは、1本の丸太を切り出し製材加工された木材のことです。なじみのある言い方をするなら、天然木と言えば分かりやすいでしょか。無垢材は、木そのものの温もりや優しさを感じられ、自然の杢目を楽しめるのも魅力です。

無垢材の良いところ

天然木の風合いと本物の素材感

無垢材は木の種類によって杢目や木の質感、香り、材質の硬さや密度が違います。同じ木でも部分的に木目や節の出方も異なり、1本1本の個性的な素材感を楽しむことができます。

経年変化を楽しめる

無垢材は、年月の経過と共に色艶に深みを増し、時の流れを感じさせてくれます。他の素材の場合は経年劣化となりますが、無垢材の場合は経年変化になります。

木が呼吸する

無垢材には優れた調湿効果があり、室内の環境を整える力があります。これは調湿作用によるもので、夏は空気中の水分を吸収し湿度を下げてくれるので涼しく感じられ、逆に冬は水分を放出して乾燥しにくい快適な空間にしてくれます。

お部屋で森林浴効果

木の成分に含まれるフィトンチッドにより、お部屋を清々しい感じにしてくれます。フィトンチッドとは木から発散する香りの成分で、消臭や脱臭効果があるので空気を浄化してくれるのです。天然の空気清浄機といったところでしょうか。

無垢材の注意するところ

木の割れや反りが起こる

無垢材の良いところでもある調湿作用(木の呼吸)により、膨張と収縮を繰り返します。その為、乾燥により割れたり反りや曲がりが生じやすい素材です。これを軽減するために、よく乾燥した(含水率の低い)無垢材を使用します。

コストが掛かる

無垢材の場合は1本の木から建築資材として加工されるので、どうしても長さや大きさに限りがあります。この為、使う用途や目的に合わせ木材を選ばなくてはならないので、価格も高くなってしまいます。

□ 集成材とは

集成材とは、丸太を薄くスライスした板材を接着剤で何層にも貼り合せ、成型された加工木材になります。柱や梁といった構造用の集成材から、家具や内装に使う造作用の集成材まで幅広く多様に使用されています。

集成材の良いところ

自由な間取りが可能

用途に合わせ成型する幅や長さを自由にできるので、柱を建てなくても材料を大きくすることで、開放感ある間取りにすることができます。

素材の品質が安定している

乾燥した材料を使用し、接着剤で貼り合せた材材料は調湿作用が少ないので、乾燥やによる収縮や寸法の狂いが小さくすみます。

比較的安価である

1本の木から1本の建材ができるのではなく、同じ種類の木なら何本でも集成材の建材として製造することができるので、大量生産ができ価格を抑えることができます。

集成材の悪いところ

大量の接着剤が空気を汚染する

木材を貼り合せるのに大量の接着剤を使用します。この為、接着剤に含まれる化学物質(VOC・ホルムアルデヒドなど)が空気中に揮発することで、室内環境に影響を及ぼしシックハウス症候群を引き起こす原因にもなっています。建築基準法により、F★★★★の製品使用が義務付けられています。
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