1. 結露は、どうして起こるの?

冬の季節の窓廻り、暖房を掛けても中々部屋が暖まらず、窓ガラスがびしょ濡れになっているのを見たことがあるかと思いますが、これが結露なんです。
まずは、どうして結露が起こるかのメカニズムを知っておきたいと思います。

結露とは?

結露とは、室内の空気中に含まれる水蒸気が、外気との温度差のある窓などで冷やされることで、水滴に変わる現象のことです。
空気に含むことができる水蒸気量のことを「飽和水蒸気量」と言いい、この飽和水蒸気量に対して空気中にどれくらいの水蒸気が含まれているか、その割合を表すのが「湿度(相対湿度)」になります。

飽和水蒸気量は温度によって異なり、暖かい空気ほど多くの水蒸気を含むことができます。
室内の湿度の高い暖かい空気が、外気で冷えた窓ガラスに触れると空気の温度が下がり、温度が下がった分だけ、空気が含むことができる水蒸気量は減ってしまいます。
この空気が含めなくなった分の水蒸気は、水に変わり「結露」として窓ガラスに現れ、この時の水蒸気が水滴に変わる温度を「露点温度」と言います。

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結露による被害

窓ガラスなどの結露による湿った状態が続き、換気などもされずカビが繁殖しやすい環境になり、毎日の暮らしの中で空気中に浮遊するカビ菌を吸い込み、アレルギーや喘息、シックハウス症候群といった人体に大きな被害を引き起こす原因にもなるのことがあります。

窓ガラスの表面に見える結露のことを、「表面結露」といいますが、それ以外にも壁や天井の内部に湿気が侵入し、内部で冷やされることで水滴となる「壁内結露」というものがあります。
この壁内結露は、目に見ることができないので結露への対処がしにくいことや、発生した水滴が柱や下地材といった家の構造材を腐らせてしまうことがあるのです。

では、結露のしにくい環境にするには、どうすればよいのでしょうか。
表面結露の対処方としては、窓を開けたりファンを回すなどの換気や、除湿器で湿気を減少させるといった方法、壁や天井の仕上げ材に調湿性のある素材を使用する方法があります。


壁内結露の対処法としては2通りあります。
まず1つ目は、壁や天井の下地材に防湿シートを貼ったり、ビニールクロスで仕上げることで、湿気を通さない素材で部屋を覆いつくてしまうといった方法になります。
但しこちらの方法は、ビニールクロスや新建材などの施工により空気中に放出される揮発性有機化合物(VOC)やホルムアルデヒドが部屋に充満してしまうので、※24時間換気が必要になります。
(※24時間換気とは、部屋に充満する人体に影響を及ぼす環境を改善するためにくにが設けた建築基準法)


そしてもう一つは、たとえ湿気が侵入したとしても結露しにくい透湿できる素材(材質)を使い、湿気を壁内に停滞させないといった方法です。例え、湿気をまったく通さない素材を使用したとしても、その施工法や人が作業することを考えれば、壁内の湿気を0にすることは難しいと思いますので、やはり壁内に停滞させない方法がおすすめです。透湿する素材については、別の記事に掲載しておきますので、詳しくはこちらをチェックしてみて下さい。

2. とっても怖い負のサイクル

調湿しない素材や工法による住まいは、住む人の体に悪い影響を及ぼす住環境や、家の構造材の腐食にまで繋がる「負のサイクル」を引起こす場合があります。

今日の住まいづくりは、この負のサイクルの住まいづくりが主流となっているため、国が定めた建築基準法も24時間換気ができるようにと改正されました。

昔の家には土壁が使われ、壁や窓の気密性も低いため自然と風が通しが良く換気ができていました。これにより古い木造家屋でも、構造の劣化が起こりにくく、長期間住まいを保つことができていたのです。

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